2015年5月26日火曜日

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part4

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみるの第4弾です。

以前の記事はこちら↓

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part1

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part2


レイアウトの作成

今回はレイアウトの作成を主に扱っていきたいと思います。

今回のテーマとして「FileMaker Pro+Go」ということがテーマとなっています。

PCとモバイルのハイブリットということですが、こういったケースの場合、それぞれのデバイスで行うことの役割というのは比較的明確になってくるでしょうか。

今回はPCは在庫数のチェックやマスターの登録。

モバイルは棚卸での利用を想定していますので、商品マスター等の閲覧はしません。

イメージとしては、iPhoneやiPodTouchを使って、バーコードを読み取り、在庫数を入力していくという作業に使います。ハンディターミナルや、バーコードリーダーの代わりということになります。

商品マスター

商品マスターのレイアウトは今回はリスト形式を採用します。

この例ではフィールド数が少ないので、リスト形式だけでいけますが、実際に業務で使っていくとなると、商品には様々な情報(画像や、商品の仕様など)あると思いますので、フォーム形式との併用ということになろうかと思います。

一覧表示(リスト形式)にボタンを配置し詳細画面(フォーム形式)に移動したり、一覧表示にポップオーバーボタンを配置し、そのポップオーバーにリスト形式では表示しきれないデータなどを配置するという手もあるでしょう。


棚卸用レイアウト(Go)

続いて、棚卸レイアウトです。

iPhoneやiPodTouch用のレイアウトを作成していきます。

レイアウト管理画面から「新規」をクリックすると、ウィザードが出ます。そこでタッチデバイス→iPhoneを選択すると、自動的にiPhone用の画面の大きさになります。

ただし、現在はiPhoneでもさまざまな画面サイズがありますので、基本的にはアンカーを使って、いろいろなサイズに対応していく必要があります。


上の図の赤枠部分がアンカーです。右側のアンカーを各フィールドに設定します。こうすることで、横画面や縦画面でその画面サイズに応じて、フィールド枠が広がります。

ズームの設定

iPadやiPhoneのモバイルデバイスでは、指先で画面の拡大や縮小が可能です。しかし、多くの場合、これをそのままにしておくと、画面がぶれる様な動きをすることがあり、扱いづらくなります。

スクリプトで、「ズームの設定[ロック;100%]」を作成し、OnLayoutEnterに設定しておくことで、これを防ぐことができます。


レイアウトはこのような感じにしました。

ボタンを配置し、「Scan」ボタンは、バーコードを読み取り、その内容を「商品コード」に入力、「New」で新規レコードを作成するという形になります。



2015年5月19日火曜日

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part3

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみるの第3弾です。

以前の記事はこちら↓

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part1

FileMaker Pro+Goで行う在庫管理システムを作ってみる Part2


※FileMaker14が登場しましたので、FileMaker Pro 14での操作画面になりますが、基本は12でも13でも変わりありませんので、よろしくお願いします。

これまで+これから

前回までは、テーブルを作成し、フィールドを定義してきました。今回はリレーションを定義していきたいと思います。

リレーションシップの基本

リレーションシップの基本はこちらを参照していただくか、書籍などにも記載がありますので、詳しくは取り上げません。

しかし、一つ気を付けておいた方がいいことがあります。

通常のソリューションの作成として、「テーブル・フィールド作成」→「リレーション作成」→「レイアウト作成」→「スクリプト作成」という大きな流れがあると思います。

しかし、ガッツリこの流れで行うとリレーションマップが複雑(増えすぎ)てしまうということがあります。

「テーブル・フィールド作成」→「リレーション・レイアウト作成」→「スクリプト作成」というように、リレーションを作りこまずに進める方が、うまくいくケースが多く、リレーションが割とシンプルになってきます。

とはいっても、今回はそれほど複雑なものでもないので、リレーションを定義していきたいと思います。


一つだけリレーションを作成しました。とりあえずこれだけです。このリレーションは、在庫数を計算するためのものです。



また、フィールド定義を変更しました。

「現在庫数」として、図のように計算式を入れました。

Sum ( 入出庫管理マスター::入庫数 ) - Sum ( 入出庫管理マスター::出庫数 )

※「商品名」というフィールドを追加しました。

ちなみに、この「現在庫数」は非保存のフィールドになるので、レコード数が増えてくると重くなってくる可能性があるので、その時は考えなくてはいけないかもしれません。

次回はレイアウトを作成してきます。

2015年5月13日水曜日

FileMaker 14がやってきた!

こんにちは!
FileMaker14がやってきました!

FileMaker14ではおもに開発者が開発しやすいような機能の拡張や改善などが
多く見られました。

主な変更点などを取り上げていきたいと思います。

・メニューなどのデザインが変わった。
iOSに準拠したようなデザインになりました。

・スクリプトウィンドウのインターフェイスの大幅な改善
今までは必ずスクリプトステップをリストから選んでダブルクリックで選ぶ必要がありましたが、手で入力することができるようになりました。また、入力された文字から予測する機能もあるので、非常にスクリプトを素早く記述できるようになりました。

なんだか、プログラミングっぽくなった!

また、お気に入りが登場! このブログを読んでいただいたんでしょうか?
もしそうだとしたら感激です。

・スクリプト編集画面からスクリプトデバッガが起動できる
スクリプト編集画面にデバッガを起動できるボタンができました。


・スクリプト編集画面で色が変わる
If分やLoop分などで色が分かるようになりました。また、フィールドが使用されている部分も色が変わって表示されるようになりました。

・計算式設定ウィンドウのインターフェイス大幅改善
スクリプト同様に、入力を予測し、候補を表示し入力できるようになりました。これがほしかった!

・スクリプトデバッガでエラーの説明も
今まではデバッガでエラーが発生したときにはリンク付きの番号が表示されていただけでしたが、説明も一緒に表示されるようになりました。

・ボタンバー
レイアウトツールの一つに、複数のボタンを連結したボタンバーが登場しました。
レイアウトでボタンをくっつけて、メニューリストのように使うことはよくあるので、便利です!
今までは、ボタンのサイズや位置を調整するのが少し面倒だったので、楽になりました。

しかも、普通のボタンとポップオーバーを混在させることもできる!

・新しいフィールドラベル
フィールドが空で、非アクティブ時にフィールド内部にフィールド名が表示されるラベル(プレースホルダ―テキスト)が登場
配置するフィールドが多いレイアウトには重宝しそうです。

・新しいパートが追加
上部ナビゲーションパート、下部ナビゲーションパートという新しいパートが加わりました。

・チェックボックスなどのスタイルが変えられる。
今までは違うテーマからコピペなどで何とかしのいでいたチェックボックスなどのスタイルが変更できるようになった! すごい。
レイアウトを作成するときに、けっこう大変だった……

・アカウントの新しいウィンドウ
アカウントの管理で新しいインターフェイスになりました。
文字は大きくて使いやすいけど…と思ったいたら前のも使えてよかったです。

・デバイスにパスワードが保存できるように
FileMakerソリューションのパスワードがデバイスに保存できるようになりました。また、各ソリューションごとにさせてもいいか、させたくないかを選択できます。

新しい関数や、スクリプト


・許可される向きの設定
このレイアウトは横表示だけにしたいといったときに使うようです。

・ディレクトリを取得
簡単に言うとフォルダが作成できるようになりました。

・タッチキーボード
iOSやWindows8でタッチキーボードを切り替えることができるようになりました。出したくないときなどに重宝しそうです。

・OnExternalCommandReceived
ユーザがロックボタンなどを押したときに動作するスクリプトを設定できるようになりました。

細かい変更点はまだまだありますが、主な変更点はこんなところでしょうか。

イメージとしては、開発機能とモバイルデバイス用の機能が強化された印象です。
ユーザの方にはあまりバージョンアップしたことが実感的ないかもしれませんが、
開発者としては便利になったなといった印象を受けたFileMaker14です。