2015年2月3日火曜日

FileMaker Serverはオンプレミスかクラウド 結局どっちがいいのか?

オンプレミスとクラウド

今回は「FileMaker Serverにとっての最適なクラウドサーバ」とはで取り上げましたクラウド上の仮想マシンを使う場合と、オンプレミスのどちらを選択するべきかを考えてみたいと思います。

ちなみにオンプレミスは直訳すると「敷地内」となるでしょうか。

つまり、企業であれば自社のオフィス内にサーバを設置して、管理も自分たちで行うことを言います。

対してクラウドは、サービス提供者のデータセンターにサーバがあり、サービス提供者が管理をする方式です。

最近ではAmazonやマイクロソフトなどの事業者が比較的簡単かつ自動的にWindowsの仮想マシンを作成できるクラウドサービスを提供していることによって、FileMaker Serverをクラウドに置くことを検討したり、実際に運用したりすることが多くなりました。

基本的にAmazonやマイクロソフト(Azure)のサービスマシンをシャットダウン(停止)しておくと課金されないので、私なんかはテスト環境として開発中だけ起動して使ったりしています。

テスト環境用に自分でサーバを持とうとすると、結構なコストになりますので、クラウドサービスを使うとコスト削減に直接的につながるでしょう。

では、FileMaker Serverの運用サーバとして使う場合はどうなんでしょうか。

ちょっと考えてみたいと思います。

比較を行う条件

・Amazon EC2の仮想マシン(m3.large)
・オンプレミスは同程度のマシンを用意

※同程度のマシンといっても仮想マシンと実マシンなので一緒とは言えないかもしれません。

費用面について

まず、オンプレミスのサーバですが、Amazonと同程度といっても、まったく同じ構成の実サーバを探すのはちょっと難しいので、ざっくりで計算しています。

オンプレミスの場合はサーバ機以外にもUPSやインターネットから接続させることも考えるのであればルータなども必要になってくるでしょうし、細かいところを言うと固定IPアドレス取得代、プロバイダの接続代金などネットワーク関連の費用も必要になってきます。この辺はすでに持ってい場合もあるでしょうが、月に7千円ということにしておきます。

ざっくり計算ですが、サーバ機および周辺機器に約30万円、それと月に7千円のコストがかかるという感じにしておきます。

一方のEC2は月に2.6万円です。

この費用をグラフで比べたものが下の図です。


オンプレミスの場合はサーバ機の購入費用などを1か月目にすべて計上しています。

19か月目にオンプレミスとクラウド(Amazon)が累計費用が逆転します。

簡単にいうと19か月以上サーバ機を使うとオンプレミスの方がコスト的には安くなります。

しかし、コスト面だけで比較してはいけない面もあります。

直接コストに現れにくい面


例えば、故障を最初から考えて費用として見積もっておくのは難しいことだと思います。しっかりしたベンダーから購入したサーバ機が3年程度で壊れるかといったことは今の時代あまり考えにくいですが、壊れれば部品代、外に直すのを頼めば修理代もかかります。

オンプレミスの場合は社内の人間が面倒を見るので、人件費もかかります。

クラウドの場合は基本的に含まれているわけです。

また仮にOSが壊れたとしましょう。

クラウドの場合は、別の仮想マシンを立ち上げて、壊れたものは消してしまうこともできます。

オンプレミスの場合はそういうわけにはいきません。

そういった面も考慮するとなかなか結論を出しにくい問題ではあります。

私見


あくまでもこれは私見ですが、クラウドを選んだ方がいい場合とオンプレミスの場合を書かせていただきます。

クラウドがいい場合

・ネットワークやサーバの知識に自信がない
・とにかく早くサーバを導入したい
・社内にサーバを置く場所がない
・管理にできるだけ人を使いたくない
・費用として計上できる(サーバ機の償却が必要ない)

オンプレミスがいい場合

・長期的、継続的に使用する場合コスト的に安くなる
・LAN内だけの運用
・ネットワークやサーバの知識に自信がある、または頼れる人がいる

という感じになるでしょうか。

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